堕天兵装

 なんと言えばいいのやら。
 まず祐一が思ったのがそれだった。
 目の前に立っているのは、自分がよく知る少女たち。
 なのはとフェイト、そしてはやてとも友人であるアリサとすずかだった。
 何故ここに? 巻き込まれた? 自分が魔導師だと知られてしまった?
 そんな疑問と焦燥とがごちゃ混ぜになって頭の中を駆け巡る。

「祐一さん! 見つけましたか―――アリサちゃん、すずかちゃん!?」
「なん…で?」

 そんな風にして硬直していると、ビルの陰から白と黒の二人が現れた。

「なのはちゃんに、フェイトちゃんまで……」
「ちょ、ちょっと! 何がどうなって―――」

 魔力は空を駆け巡る。
 一点に集約され膨大なエネルギーと化したそれが、違う動きを見せたのを祐一は感じ取った。
 知覚。反応。
 瞬時にアリサとすずかの二人を、闇の書に対して背を向けるようにして抱きかかえる。
 なのはとフェイトもそれにあわせ、遥か先の攻撃に対し障壁を展開した。

「ななな何すんのよ!?」
「野郎に抱き締められるのは嫌だろうけど、今だけ我慢してろ!」

 背後にだけ《双鎧デュアルクラスト》を発動。更に二人を強く抱き締める。
 自分はあの魔法を知らない。見たことすらない。
 だが本能が告げている。
 “あれ”は並みの攻撃とはわけが違う。

「スターライト…ブレイカー」

 距離が離れている筈なのにも関わらず、まるで耳元で囁かれたかのような錯覚。
 振り上げられた闇の書の拳が叩きつけられ、凝縮された魔力が開放された。
 直。
 撃。
 そして大地に降りた桜色のそれが、周囲を丸ごと包み込む。





Blazing Souls

Code.1 : 夜天の翼 - Wing of the night sky -
10.堕天兵装





「大丈夫、祐一。二人も……」
「……僕、絶対になのはさんとは喧嘩しません」
「く、口調が変わってる!?」

 爽やか好青年になってしまった祐一に、なのはが思わずツッコム。
 スターライトブレイカー。結界破壊能力まで持つ最強の砲撃魔法。
 余波だけでこれだけの威力なのだ。まともに直撃すれば命はなかっただろう。
 祐一は抱きかかえた二人を解放すると、見えない距離にいる闇の書を睨みつけた。

「大丈夫だな?」
「う…うん」
「…………はい」

 状況に付いて行けず呆然としているアリサに、何故だか知らないが頬を上気させているすずかを見て、祐一は安堵の溜息を漏らした。
 後はエイミィさんに転送を頼んで、二人を安全圏まで運んでもらえばいい。

―――二人じゃないな。“三人”だ。

 思考がやっと回転しだしたのか、アリサが魔導師の姿をした祐一たち三人を見た。
 いきなり人が消え、妙な出で立ちの三人が現れ、突然爆発に巻き込まれた。一体何の夢物語だと言うのだろうか。
 自分の思考は正常だと、言い切れなくなってくる。
 むしろ夢だと言ってもらった方が素直に納得できる状況だ。

「これって、どうゆうこ―――」

 言葉はそこで途切れた。
 アリサとすずかの足元に、白の魔法陣が展開される。
 転送用の魔法が発動したのだ。

《これ…で、巻き込まなくて……済むね》
「……ああ」

 外気に肌が触れたのを、フィオの五感が感じ取った。
 頭がふらつく。息が荒い。そんな風に感じるのは、そんな風に知覚できるのは……自分が外に出たから?

「ゆーいち!?」
「ちょっと休んどけ。後は何とかするから」

 融合解除ユニゾンアウト
 その単語がフィオの思考を駆け巡る。
 最早数本だけとなっていた銀髪は、黒くその色を戻していた。
 トンッと軽く祐一に押され、フィオが魔法陣の中に入る。
 手を伸ばしても、勢いが殺せずに体が止まらない。
 けれどフィオは短い腕を懸命に伸ばし続けた。
 それでも祐一には届かない。
 微笑む彼に、届かない。

「ゆーい―――!」

 最後の一語を残して、フィオは光と共に消えていった。

「祐一さん。……いいんですか?」
「ああ。これ以上、あの娘を戦わせたくないんだよ」

 今の防御魔法で、魔力の供給はほぼ無理と言う状態まで彼女は消耗していた。
 なら引き離さなければならない。断ち切らなければならない。
 ここから先の戦いで、彼女まで苦しまずに済むようにしなければならない。
 これは覚悟だ。そうだろう、相沢祐一?
 お前は誰かが傷つく前に、自分が傷を負うことを是としてきたのだから。

「お前もそうだろう?」

 だから笑って彼女に、闇の書にそう告げる。
 出・力・全・開。
 目の目にいるのは敵。自分が倒すべき敵。
 彼女はその立場に自ら立った。善悪などそこに意味はなく、そう在るべくして在る。
 彼女ははやてを守ると言う。自分は彼女を引きずり出すと言う。
 相容れない。そう、相容れることなどない。
 それなら。それでも譲れないとういうのなら……そこにぶつかり合うしか道はなく。

「さあ示せよ! お前の力を!!」

 《神討テンペストブロウ》。
 脚に溜めた力を一気に爆発させ、祐一は右腕を突き出した。
 バリア破壊能力のない、ただ魔力を込めた拳に成り下がった打撃。
 だがその一撃が届くより早く、祐一は横からの衝撃に吹き飛ばされた。

「―――っが!」

 不意を突かれた形で叩き込まれたそれが、ダイレクトに祐一に直撃する。
 今までならフィオが教えてくれていた。それが逆に仇となった。
 そうであることが当然となってしまった祐一にとって、不意打ちに対応するだけの危機能力を失わせてしまったのだ。
 防御すら出来ず喰らった魔力の一撃は、祐一を軽々と吹き飛ばす。

「祐一さん!」

 戦塵の中へと消えていった祐一を追うべく、なのはが駆け出そうとした。
 だがそれより速く、目の前を闇の書が立ち塞がる。
 片手に本を持ち空を蹂躙する姿は、さながら天に使わされた神の使徒。
 
「どいて、下さい!」
「無理だ。それは主の願いに反する」

 魔力を凝縮。 

「主は…自分の愛する者たちを奪ったこの世界を、悪い夢であって欲しいと願った。私の望みは、主の願いを叶えることのみ」

 術式展開。陣の顕現。
 正三角の、ベルカの魔方陣が闇の書の足元に浮かび上がる。 

「主には、安らかなる永久の眠りを。騎士の命を奪った者には…永久の闇を、だ」
「闇の書さん!!」
「―――お前も私を、その名で呼ぶのだな」
「……っ!」

 それでもいい、と闇の書は呟く。
 何事もないように。自分の意思など無意味だと、そう告げるように。
 
「私は魔導書、意思在らざる仮初の心。ならば私の為すべきことは、主の願いをそのままに……」

 だがそれを認めぬ声が、二つ。
 それは白の魔導着を纏う少女。金色漆黒の魔導師。
 抗うように、認めぬように、声を荒げ、叫ぶ。

「だったら、何で貴女は泣いてるの!?」
「そんな哀しい顔で、そんな押し殺した声で、そんな風に涙を流して……そんな人の言葉を、誰が信じるもんか!」

 その言葉に、闇の書は瞳を閉じた。
 優しい少女たちだ。
 会って間もない自分と主に、ここまで必死に手を差し出してくれている。
 道を、選択を違わねば、もしや救われたやも知れない。

「ああ……」

 だがもう遅い。
 思考が「この二人は違う」と否定しようとも、決定した行動に歯止めが利かない。
 手遅れだ。己の中に、ひびが入る。

「……早いな」
 
 始まった。
 周囲の地面から熱を伴った火柱が舞い上がる。
 思考にノイズが入り始めた。押さえ込んだ破壊衝動が再び鼓舞する。

「崩壊が始まった。私の意識も、時期に消える。そうなれば暴走するのみ」

―――だから、そう。

「そうなる前に、主の望みを叶えたい」

―――どうか私を、助けてください。

 展開する血塗りの刃は白と黒、二人の魔導師を包み込むように。
 ほぼゼロ距離の一撃だ。余程でなければかわせない。

「闇に、沈め」

 穿ち爆ぜる。
 土煙が舞い上がり、少女たちの姿をかき消した。
 次の一手に向けて魔力を練り上げようとしたとき、闇の書は攻撃の手を止める。
 どうやら敵は、余程の相手らしい。

「この…駄々っ子!」

 爆塵を掻き分けて、黒が一閃を作る。
 装甲を破棄し、己の防御を無視し、速さを追い求めた形態。
 ソニックフォーム。
 金の翼を手足に繋げ、フェイトは音速の一撃を見舞った。

「言うことを・聞けえっっ!!」

 だが渾身の一撃は、障壁によって阻まれた。
 盾の向こう、闇の書が取る構えは開かれた本を見せ付けるように。
 フェイトにはそれが光を放つように見えた。
 だが違う。
 光を放っているのは、自分の体だ。

「お前も、我が内で眠れ」

 フェイトの姿が弾け消える。
 『吸収』を意味する言葉を放ち、そして本が閉ざされた。
 なのはは今起きた事実を理解できず、目を見開く。
 気配も、魔力も断ち消えた。
 
「エイミィさん!」
『大丈夫、バイタルはある! 多分闇の書の内部空間に閉じ込められたんだろうけど…今から対策検討するから、チョッと待って!!』

 動揺とは即ち隙となる。
 それを知る闇の書は、今だショックを受けているなのはに向けて、追撃の一手を仕掛けようとした。
 だが、それより早く動きが来る。
 気配、それは彼女の真横から。
 夜色のバリアジャケット。青い瞳。
 フェンリルロアーと相沢祐一だ。

「まだ動けるか……」
「あんなもんで倒れてられっか! お前の攻撃にはなあ…ガッツが足りない!!」

 空中から左側頭に向けての回し蹴り。
 それを闇の書は腕で阻み、翼を羽ばたかせ数メートル後退した。
 祐一は着地の反動を体を回転させることで吸収し、止まり、身構える。

「祐一さん、フェイトちゃんが!」
「ああ分かってる。面倒だな本当に……!」

 リンカーコアに魔力を巡らせ、練り上げ凝縮。それを力へと変換する。
 一気に行われるその工程によって、地から空へと風が舞い上がった。
 黒が入り混じる拳を振り被り、祐一は一歩、前へ。

「俺らが使ってんのは魔法だろ!? 奇跡でも何でも起こす力だろうが! ああだからよお―――届けよ!!」

 異質。
 瞳に、力に、彼の全てに闇の書はそれを感じ取る。
 防御の選択は反射的だった。
 阻むベルカの黒い障壁に、祐一の拳がぶつかり音を上げる。

「―――っ」
「此処で見せなきゃ――男が廃らあっっ!!」

 亀裂音がした。
 障壁に走ったそれは、次第に枝分かれし、伸び上がり、障壁が障壁であることを否定する。
 砕・ける。
 崩れた後に障害はない。阻むものなど何もなく、あるのは一つ…拳のみ。

「喰らい・知れ!!」

 飢えた餓狼が牙を剥いた。



刀@   刀@   



 L級巡航艦アースラ。
 その管制室に足を踏み入れたとき、相沢春奈が聞いたのは二つの声だった。
 片方は無線。片方はオペレーターであるエイミィの声。
 前者、フィオの怒鳴り声が室内に響き渡る。

『いいから私を早く戻して! あのままじゃゆーいちが死んじゃうでしょ!?』
「で、でもねフィオちゃん? 魔力は形成固定の分しか残ってないし、今出て融合したら、確実にフィオちゃんが消えちゃ―――」
『私は、あの人の隣が居場所なの! あの人と戦えない…そんな私に価値なんてないのよ!』

 今フィオがいるのは結界内の私立小学校の前。
 エイミィが見ているモニター。フィオが映し出されているその背後には、先程同時に転送したアリサとすずかの姿もある。
 何も見えず、また聞こえない彼女達には、フィオが唯一人虚空に怒鳴りつけているように見えるだろう。
 その証拠に、背後の二人は何がなんだかといった表情で蒼髪の少女を見ている。
 春奈は溜息を一つ。エイミィの後ろに立つと、フィオに向けて呼びかけた。

「落ち着きなさい、フィオ」
『でも春奈! 祐一が!』
「分かってるわよ。けど、あんたがそんな事言ったら、祐一がどう思うかしら?」
『それ…は……』

 想像し意気消沈するフィオ。
 春奈は背後の艦長席、苦笑して頭を下げるリンディに肩を軽く上げて返した。

「問題は動けないフィオじゃなくて、動いてる祐一の方。エイミィちゃん、あの馬鹿強制転送は出来そう?」
「…難しいです。動きが速過ぎて、転送しようとしても捉え切れません」

 モニターの一つ、今だ街中で繰り広げられる戦いを春奈は見つめる。
 なのはと祐一。二人は牽制と攻撃を繰り返しながら、闇の書を少しずつ海の方へと移動させていた。
 ガードしながらも吹き飛ばされた祐一が、ビルに這うようにして着地する。
 躊躇わず接近。攻撃を阻みながら隙を討つ形で応戦する。
 そして不意にバックステップ、した祐一の真上にはなのはが魔法を完成させていた。
 ―――《神聖なる砲撃ディバイン・バスター》。
 桜色の一閃が、闇の書に向けて放たれる。

「なのはちゃんともう連携を…。いくら潜在魔力が大きいからって、こんな短期間で……」

 誰かが息を飲んだ。
 魔法に対する、戦闘に対する才能。だが、これをそう呼ぶには安易だと否定する。
 才能ではなく、圧倒たる異質。

「エイミィちゃん。何とかあいつを」
「ですが……」
「フィオはあの子の“グレイプニル”なのよ」

 きつく拳を握り締め、春奈はそう告げた。
 グレイプニル。かつて北欧神話でフェンリルを拘束した足枷の名。
 狼は即ち祐一であり、そして

「フィオがいない今、このままでは目覚めてしまう・・・・・・・

 その言葉に反応したのはリンディだった。
 目覚める。異質。相沢という姓。
 キーワードと共に、過去がフラッシュバックする。
 それはかつての古い記憶。祐一の父、祐誠がいた時のこと。

「まさか、―――!?」

 言葉は音に紛れて消えた。



刀@   刀@   



「ってえ……」

 瓦礫を蹴り飛ばしながら、祐一はプラプラと右手を振る。
 至近での戦闘時、避けきれずに受け止めたはいいが、衝撃を殺しきれず殴り飛ばされてしまった。
 少し離れた上空。場所を海に移してなのはと闇の書が衝突している。

「足り、ない」

 まだだ。こんなものではまだ足りない。
 オープン回線になった念話越しに、なのはとレイジングハートの会話が聞こえてきた。
 魔杖は更なる力を望み、少女はしかしそれを拒んだ。
 エクセリオンモード。以前聞いた、レイジングハートの最終形態。
 フレーム強化がまだ済んでいないのだ。なのはが魔力の操作を少しでも過てば、暴走し壊れてしまうだろう。
 それでもデバイスは己が主に力を望んでいた。
 涙を流す、闇の書を救って欲しいと。

「何燻ぶってる相沢祐一。今行かなくてどうするよ」

 掴む。
 それは心の奥底にある、扉へのノブ。
 厳重に閉ざされたそれは、だが己の意思一つで破壊も更なる封印も可能とするもの。
 一度はなのはとの戦いで。二度目はフェイトとの会話の中で。
 近づき、しかし掴み損ねたそれを、祐一は今握り締めている。

―――足りないか?

 足りないね。

―――力が欲しいか?

 力なんてどうでもいい。
 一人で泣いてる駄々っ子に…言って聞かせてやりたいだけだ!!

―――上出来。












―――ならば纏えよ我が鎧
―――我は堕天 背負いし大罪は【傲慢】
―――全てを阻み 全てを砕く 救済者にして破壊者
―――戦えや汝 傲慢たる強さと優しさで以って
―――あの天使の紛い物に 真の神威を知らしめよ
















―――さあ名を示せ 我の名は―――














堕天兵装ルシュフェル・シフトォォォォ!!」

 開いた。
 本能が名前を告げる。自分が持つ、自分だけの力を。
 右腕の肘までを暗い闇が覆った。闇の書とは違う、見れば吸い込まれるかのような深淵。
 そしてその上から、白銀の装甲が張られていく。
 それは指先から肘にかけて、闇を封じるように堅固に。
 抑えきれない闇が、肘から溢れ炎のように揺らめいていた。
 ルシュフェル・シフト。
 相沢の姓が背負い続けた、神に届く力。
 七の大罪が一つ、【傲慢】を継ぐ者が手にする破滅。

「いいぜ、いい感じだ! 滾ってきたあ!!」

 興奮を歓喜に変換させ、祐一はそう叫んだ。
 それに呼応するかのように、揺らめく闇が激しさを増していく。
 跳躍から高速で闇の書へ。そしてなのはとの間で停止する。

「祐一さん。その腕……」
「やるんだな、エクセリオンモード」
「え?」
「やってやれ。お前なら大丈夫だ。変形までの時間は、俺が稼ぐ」
「……はい!」

 後方に下がり変形プロセスに入ったなのはを確認。祐一は闇の書に向き直る。
 力を扱う術は、不思議と理解できていた。
 本能で使い方を感じ取る。そんなあやふやだが確かな感覚。

『祐一、今すぐ武装を解いて帰艦しなさい! あんたのその力は―――』
「断る」
『祐一!!』

 叱咤と呼べる春奈の声に、しかし祐一は首を振る。
 それは明確な拒絶。

「何故……?」
「つまんないこと今更聞くなよ。理由なんてのは後付でどうとでもなるだろう!?」

 闇の書のその問いにも、祐一は楽しそうにそう答えた。
 理由は何故だ。そんなもの、特にない。
 敢えて言うなら、目の前で泣かれているから、ただそれだけ!

「救いたいとは思わない。この子を、この子達を、必ず救うとそう決めた!」

 決意を嘘にしないように、今に絶望しないように、拳を強く握る。
 目の前の闇の書を。はやてを、フェイトを、守護騎士たちを。救って見せると決めたのだ。
 もう、逃げ出さない。

「だから行くさ。これが例えどんな力だろうとなあ!!」

 二次展開が始まった。
 闇は更に腕全体を覆い、また装甲もそれにあわせ付加されていく。
 二の腕の辺りには穴の開いた円環が浮いていた。
 肩甲骨まで装甲は広がり、最後にバックパックのようなものが装着される。
 開かれた。
 バックパックが展開し、そこから行き場を失った闇が吹き出す。
 揺らめくそれは、そう。漆黒の翼。

「準備はいいか? 心構えは十分か? それじゃあ・行くぜえ!!」

 叫びと同時、黒の翼が大きく羽ばたいた。
 先程以上の異質に、闇の書は手をかざし防御に回る。

「……ッ!」
「突き破れえッッ!!」

 衝撃は先程よりも深く重く。
 力を更に高める為か、背中の片翼が迸る。
 破砕。
 その後に待っているのは、威力を上げた白の拳。

「剛拳。放つは闇の真価と知れ」
《Schwarze Wirkung》
「テンペストブロウ・ノヴァ!!」

 二つの黒が交差し弾けた。











<あとがき>

眠い、疲れた。でも頑張ったよ僕。
ああ…されど労ってくれる人もなく(´・ω・`)

ようやく登場ルシュフェル・シフト。
もうね、やっとだってのが感想。此処までくるのにどれだけ頑張ったか。
Kanon=天使、な印象が強いおしょうが登場させたニューウエポン。
吉と出るか凶と出るか、どっちなんだろうなあ。

まあパワーインフレってバトル物の定番だよね(ぇー
とは言っても、これでも恐らくなのはさんには勝てないんじゃないかと……
なんてったって管理局の白い悪m(以下バインドからのスターライトブレイカー直射につき割愛

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